「俺、ディーノさんに宣言しちゃった」

にっぱと笑った山本に、嫌な予感がする・・・と構えてしまった。
こんな笑みを浮かべた時は、実際は腹黒くて良からぬことを考えているのだ、山本は。
そして、実際は怒っていることも、ままある。

「何したの・・・」
「宣戦布告！」
「何してるの・・・」
「だって！」

アンタに、手を出してもらいたくねーもん！
せっかく両思いになれたのに、邪魔されたくねーし！
ワタワタと言い訳をする山本に有無を言わさず一発殴ってやった。

（全く・・・）

しかし、山本の子ども染みた、あけっぴろげな性格は嫌いじゃない。
雲雀より弱いし、年下だし、なぜ彼を受け入れてしまったのかと、不思議に思う。
それでも、山本を選んでよかったとも思っている。

『ヒバリが好きなんだ』

この言葉を何百回言われただろう。
応接室で、屋上で、グラウンドで。
そしてイタリアに来ても変わらず、ボンゴレの屋敷、執務室。

（本当に数えられないぐらいだ）

『僕は、ディーノが好きなんだ』
『でも、片思いだろ？』
『・・・ッ、咬み殺すよ』
『まーまー、勘弁』

同じ片思い同士だから、仲良くしょうぜ？
なんてよく分らない口説き文句をされた。
同じなんて、勝手に言うなと何度詰ったことだろう。

『俺、雲雀が好きなんだ』
『・・・もう、何度も来たよ』
『うん。そうかもな』

アンタが、ディーノさんを好きでも、それも含めて大好きだ。
だから、俺を好きになってよ。
俺が傍にいるのを許してよ。

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