●山ヒバ前提ディノヒバ

（知っていたさ）

教え子が、ディーノを想っていたことぐらい。
最初は違っていただろう。
だた強い者としか、認識されていなかった。

「いつからだろうな」

眸の色が、変わったのは。
ディーノを追いかけるようになったのは。
男として認識されたのは。

（でも、俺には無理だ）

なぜ無理だと、歯止めをしたのか、自分でも分らなかった。
けれど、想いを返してはならないと感づいていた。
甘い都合の良い考えかもしれないけれど、それでも雲雀は想ってくれてると思った。

『僕、山本と付き合うことにしたから』

しかしディーノの予想を反して、教え子は新たな人を選んでしまった。
しかも同じ立場の雨の守護者。
山本もずっと雲雀に片思いをしていたのは、知っていた。

『俺、ヒバリが好きなんですよ』

あけっぴろげらしい山本が、よくディーノに話してきたから。
しかし彼は、それ以上は言わなかった。
雲雀がディーノに片思いをしてるとか、手を出す名とか、一切口にしなかった。

（俺は、どうしたかったんだろう）

雲雀を本当は、どうしたかったんだろうか。
本当に、教え子としてずっと接していきたかったのだろうか。
それとも、山本みたいに雲雀を愛したかったのだろうか。

「分らねぇ・・・」

これがファミリーのことだったら、即座に決断し行動を移しただろう。
問題は、ディーノ個人のことだった。
なので、判断が遅れてしまった。

しかしもう遅い。
雲雀は、別の者になってしまった。

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